広報はだの5/1号 8面 地域の身近な相談相手  5月12日は「民生委員・児童委員の日」  市民の相談に応じ、行政への橋渡しもする民生委員・児童委員。高齢化などで役割が増す一方、その存在をよく知らないという人も多いと聞きます。今回、南地区民生委員児童委員協議会の会長を務める女性の取り組みと、その思いに触れました。 「見守る」という意味  「こんにちは。寒いけど大丈夫?」  約20年間民生委員を務める小泉美江さん(今泉・68歳)。先月上旬、民生委員になったばかりの頃から交流のある、近所の吉田ミツさん(86歳)の家を訪ねました。 「見て見て、近所の幼稚園の子が、桜の花びらをくれたの」  うれしそうに話す吉田さんに、小泉さんも笑顔で返します。現在、小泉さんが担当する約380世帯のうち、一人暮らしの高齢者は、10人ほど。その一人である吉田さんの家に、月2回くらい訪問し、様子を確認しています。  寒いからと家の中に招かれ、始まったのは世間話。吉田さんは、地域のお花見会に参加したことなど、最近の出来事を小泉さんに話しながら、時には悩みも打ち明けます。親しげに話すその様子は、まるで家族や親友のようです。  吉田さんは、岩手県の陸前高田市出身。夫の仕事の都合で、40年ほど前に本市に引っ越してきました。その後、夫が他界し、突然始まった一人暮らし。身寄りのない生活を送る中で、4年前に故郷を襲った東日本大震災により友人を亡くし、精神的に大きなダメージを受けました。 「寂しさがつのり、テレビも消して、一人で泣き続けていました」 と吉田さん。耐え切れず、やみくもに故郷に帰ろうとしていた吉田さんの気持ちを察したのが、小泉さんでした。 「今帰ったら危ないし、もっとショックを受けちゃうかもよ。話なら、私が聞くから」  震災が起きてからの2年間は、小泉さんの前で泣いてばかりの吉田さんでしたが、今では元気な笑顔を取り戻しました。 「小泉さんは、私の話をとてもよく聞いてくれる。それだけで十分心が満たされるし、元気でいられるんです」 と感謝の思いをにじませる吉田さん。その思いを受け止め、小泉さんも民生委員の役割を再確認します。 「大切なのは、私の人生観を押し付けないこと。親身に話を聞いて、心を整理させてあげれば、自然と自分から前に進んでくれるんです」  見守ることは、相手の心を守ること。そんな小泉さんの強い思いが伝わります。 時代と共に広がる役割  子供たちを見守る「児童委員」も担っている民生委員。近年は、その役割が大きくなっているといいます。 「近所で親が子供を虐待しているといった相談を受けることが増えています。委員を始めた頃は全然なかったんですけど」 と顔を曇らせる小泉さん。中には児童相談所から依頼を受ける深刻なケースもあり、該当する家庭への訪問は、慎重な対応が求められます。 「何度も足を運び、徐々に心を許してもらって、相手から相談してもらえる関係になるのが理想。長期戦ですね」  しかし、委員を続けられる人が少なくなり、経験の浅い人が多い現状では、それはとても難しいと、小泉さんは課題を打ち明けます。  そのほかにも、育児の先輩として子育ての悩みを聞く催しの開催や、委員の情報網を生かした災害時の行動マニュアルの作成など、年々、活動は多岐にわたっています。 「事務的に、関係機関に取り次ぐだけではありません。顔が見える関係で信頼を築ける民生委員だからこそ、できることがあります」 と力強いまなざしで語る小泉さん。民生委員・児童委員のことをもっと知ってもらい、気軽に相談してほしいと、今後の活動に意欲を見せます。 受講者募集 赤十字救急法講習会 救急法基礎講習 とき 6月20日(土) 午前9時~午後1時 内容 心肺蘇生法、AEDの使い方など 対象 15歳以上30人(申し込み先着順) 費用 1500円 救急法救急員養成講習 とき 6月20日(土) 27日(土) 28日(日) 午前9時~午後4時(20日は午後2時〜5時) 内容 急病・けがの手当て、救護の方法など 対象 救急法基礎講習を修了した30人(申し込み先着順) 費用 1700円(ファーストエイドキットを持っている方は750円) ※いずれも保健福祉センター 問い合わせ 地域福祉課☎(82)7392 あなたの思いを赤十字に  日本赤十字社は、人道と博愛の精神を基本理念として、国内外の災害救援活動をはじめ、献血の促進や社会福祉事業、ボランティアの育成などに取り組んでいます。赤十字の事業は、皆さんからの寄付金などによって支えられていますので、ご協力をお願いします。 問い合わせ 日赤秦野市地区(地域福祉課内)☎(82)7392 活動費を補助します 介護予防活動団体 対象 次の全てに該当する団体 ◇高齢者の健康づくり、認知症予防、栄養改善などの介護予防活動を年10回以上実施 ◇構成員が5人以上で、その半数以上が市内に在住・在勤・在学 ◇国や県、市から補助金などを交付されていない 補助限度額(年額) ◇1年目 3万円 ◇2・3年目 1万円 ※補助は3年まで 申し込み 申込書(市役所1階高齢介護課、市ホームページにあります)に団体概要書、事業計画書、収支予算書などを添えて高齢介護課へ持参 問い合わせ 高齢介護課☎(82)7394 被災地支援ボランティア 対象 市内に活動拠点があり、5人以上の構成員が被災地で活動するボランティア団体 ※支援物資搬送のみの活動を除く 対象経費 市から被災地までの往復車両燃料費、有料道路通行料、被災地までの車両借上料 補助額 対象経費の2分の1以内(上限額20万円) 申し込み 申請書(市役所2階地域福祉課、市ホームページにあります)を6月30日(火)までに地域福祉課へ持参 問い合わせ 地域福祉課☎(82)7392