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平成31年度秦野市長施政方針

問い合わせ番号:15508-9965-2749 登録日:2019年2月26日

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 2月25日(月曜日)に開会した平成31年第1回定例会の冒頭に平成31年度施政方針を述べさせていただきました。

秦野市長 高橋昌和

                             

はじめに

 平成31年度の一般会計予算案をはじめ、諸案件を提案するに当たり、私の市政に臨む基本方針と主な施策について述べさせていただきます。

 新春の弘法山で、市民の皆様と一緒に初日の出を迎えた私は、朝焼けに染まる秦野のまち並みを望みながら、我がふるさとのまちづくりへの想いを実現すべく、さらに力強く踏み出す決意をいたしました。

 「秦野は可能性を秘めた都市(まち)。もっと元気に。もっと良くしたい。」

 市長就任から1年を経て、この想いを確信し、時代の変化にも対応しながら、市政運営に積極果敢に取り組んでまいります。

 今年の箱根駅伝では、地元、東海大学が、創部59年目にして悲願の初優勝を飾り、たいへん明るいニュースでの年始めとなりました。

 これまでに何度も優勝候補に挙げられ、挫折と挑戦を繰り返す中、レースに臨んだ選手、控えに回った選手、そして監督・コーチなど、チームが一つになり、それぞれの役割をしっかり果たしたことにより、このたびの偉業が達成されたのだと思います。

 チーム一丸となって目標に向かう姿勢は、同様に、自治体の組織運営や様々な施策の推進においても重要です。自信を持って躍動する選手たちの姿を目の当たりにし、改めて、秦野の「本物の魅力づくり」に挑戦していこうと、想いを強くしたところです。

新たな時代に向けて

 我が国は、本年5月に改元を控え、平成の時代から、新たな時代へと移り変わろうとしています。

 平成の30年間には、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめとした大規模地震、数十年に一度と言われる集中豪雨など、多くの災害に見舞われました。また、バブル経済の崩壊後、国内の景気は停滞が続き、市民生活や自治体運営の面でも厳しい状況が続きました。

 その一方、目覚ましい情報化の進展により、世界中の情報を誰もが、いつでも、どこでも手にすることができるようになり、私たちの生活環境は大きく様変わりしました。

 そして、人口減少・超高齢社会の到来が現実となり、成熟社会と言われる今、一億総活躍社会の実現に向けた取組みや全世代型社会保障制度の構築など、人生100年時代にふさわしい持続可能な社会への転換が進められようとしています。

 本市が誇る表丹沢の山々や名水をはじめとする豊かな自然は、そこに息づく歴史や伝統とともに、先人たちの手により大切に守り、育まれ、今へと受け継がれてきました。

 新たな時代に向けて、こうした秦野の魅力に新たな風を吹き込み、市民が元気に暮らし、多くの人が訪れる「ふるさと秦野」を創造してまいりたいと考えています。

 その中で、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催や新東名高速道路の全線開通を目前に控えた新年度は、秦野の未来への架け橋となる大切な一年です。

 年頭に当たり、自身への誓いとして、今年1年を表す言葉に「進(しん)」の一文字を選びました。これまで種をまいた取組みをしっかり前に進めるという想い、そして覚悟を込めました。

 私は、市長就任以来、職員に基礎・基本の大切さを伝えながら、「5つの誓い」の重点事業をはじめ、様々な施策を着実に進めてまいりました。

 就任2年目を迎え、新年度は、効率性・実効性のある、市民に分かりやすい新たな組織執行体制のもと、市政運営に乗り出します。

 秦野をもっと元気に、大きく飛躍させるため、これまでの取組みをさらに加速させ、組織一丸となって進めてまいります。

「新しい米百俵」の精神

 明治の初期、窮状にあった長岡藩に米百俵が届けられました。藩の指導者であった小林虎三郎は、単に米を分配するのではなく、藩の将来を見据え、学校設立の資金に充てました。

 秦野の将来のために、今、必要なことは、「5つの誓い」の実現に向けた未来への投資であり、それぞれの施策の連携が定住の促進や雇用の創出、地域経済の活性化といった好循環を生み出し、本市のさらなる飛躍へとつながっていくものと考えています。

 持続可能なまちづくりへの転換が求められる中、事業の選択と集中を図りながら、投資すべきところに積極的に投資を行う「新しい米百俵」の精神により市政運営を進めてまいります。

平成31年度の取組み

 そうしたことから、平成31年度当初予算では、「5つの誓い」の重点事業を含め、総合計画に位置付けた事業を、スピード感を持って前に進めることとし、「魅力あふれる未来へ、確かな歩みを進める予算」として編成しました。

 それでは、平成31年度予算の主な取組みのうち、まず、未来へつなぐ5つの重点事業について、説明いたします。

 重点事業1 「地域医療の充実・強化」

 重点事業の1点目、「地域医療の充実・強化」です。

 小児医療費助成では、「はだのっ子」の健康の維持と健全な育成に役立てるとともに、安心して子育てができるよう、新年度から、通院助成の対象を中学3年生まで拡大します。

 秦野赤十字病院の分娩業務の再開に向けた取組みでは、院長との協議を精力的に重ねて信頼関係を構築し、医師の確保策や分娩体制など、具体的な方策を検討してきました。新年度は、医師の確保に向けて、神奈川県や日本赤十字社神奈川県支部等の関係機関との連携を強化し、大学医局への働き掛けをさらに進めるとともに、車の両輪のごとく、本市と病院が取り組むべき医師確保策の共有を図っていきます。

 また、これまで、市民が必要なときに、安心して、適切な医療が受けられるよう、地域医療の充実と強化に取り組んできました。新年度は、市民健康診査やがん検診を受けやすい体制づくりを進めるほか、75歳以上の人間ドックは、希望者全員が補助を受けられるよう改めます。検診等の結果を効果的に生かし、身近な場所で気軽に生活習慣の改善に取り組むための支援を行うことで、市民の健康増進につなげます。

 重点事業2 「中学校給食の完全実施」

 次に2点目、「中学校給食の完全実施」では、昨年10月に、保護者や公募市民、学校代表者による「中学校完全給食推進会議」から、高い衛生管理やアレルギー対応が可能で、財政面でも効率的かつ効果的なセンター方式とすることが、本市の実情を踏まえた最適な提供方式であるとの意見を示していただき、生徒が喜ぶ秦野らしい給食の実現に大きな一歩を踏み出しました。

 新年度は、策定中の基本計画に基づき、基礎調査を実施するとともに、学識経験者等による専門委員会を設置し、健康、栄養、衛生管理など、様々な角度から検討します。食育の推進と、全ての「はだのっ子」の心身の健全な育成のため、引き続き、教育現場との連携を密にし、「秦野スタイル」の中学校給食の実現に向けて、事業を着実に進めます。 

重点事業3 「教育水準の改善・向上」

 次に3点目、「教育水準の改善・向上」では、これまで、全国学力・学習状況調査の結果や教職員の多忙化など、本市が取り組むべき課題の把握を進めてきました。

 新年度は、学力向上のため、教育委員会の組織を強化し、学校への支援体制を充実させることで授業内容の改善を進めるとともに、家庭学習ノートの作成や、民間企業と連携した寺子屋方式による放課後の学習支援事業を実施します。

 また、教師が子どもたちと向き合う時間を十分に確保できるよう、引き続き、運動部活動顧問の派遣など、外部人材の活用を図るほか、全ての中学校区に、学校運営を補助するスクールサポートスタッフを配置します。さらに、教職員の出退勤管理システムを導入し、学校の業務改善を推進します。 

重点事業4 「小田急4駅周辺のにぎわい創造」

 次に4点目の「小田急4駅周辺のにぎわい創造」です。

 それぞれに個性を持つ4つの駅を拠点として広がるまち並みは、本市の強みです。各駅周辺のにぎわいの創造には、地域資源を最大限に生かし、「ヒト・モノ・カネ」を呼び込む好循環を生み出す仕組みが必要です。

 秦野駅北口周辺では、新しくなった自転車駐車場に、駅と直結するペデストリアンデッキを延ばすとともに、1階に自転車組立てスペースを設け、電車を利用して丹沢を目指すサイクリストを呼び込みます。あわせて、下りエスカレーターの設置を進め、利便性を高めます。また、県道705号の拡幅にあわせ、地元の周辺整備検討組織の活動を支援するとともに、沿道周辺の商店街の再形成や狭い道路の解消など、まちの再生に向けた検討を進めます。

 秦野駅南部の今泉地区では、土地区画整理事業による建築物の移転補償や造成工事等を進め、将来の駅周辺の活性化につなげます。

 渋沢駅は、小田急電鉄株式会社との連携協定により、秦野産木材を使用した山小屋風の駅舎への改修が進み、表丹沢への起点として多くの登山者が訪れます。駅周辺では、毎年4月の秦野丹沢まつりにおいて、首都圏近郊で一番早い「山開き式」にあわせた関連事業を実施しています。引き続き、重要な観光資源である表丹沢の魅力を発信するとともに、表丹沢の玄関口として、商店会や関係団体と連携し、商業や観光の振興に努めます。

 東海大学前駅周辺では、駅利用者の利便性と踏切周辺の安全性を高めるため、北口へのエレベーター等の設置に向けた設計を実施します。また、学生のまちにふさわしい環境づくりのため、学生や商店会、自治会が協働して実施するイベントなど、人々が集まる仕掛けづくりを支援します。

 鶴巻温泉駅周辺では、大山と駅を結ぶバスルートが秋の登山シーズンにあわせて本格運行されます。この本格運行を地域の活性化に結び付けるため、商店会、自治会、温泉組合等と協議しながら、地域一体による、名湯を生かしたにぎわいづくりを支援します。また、北口駅舎のリニューアルにあわせた観光案内板の設置や駅周辺のまち歩きマップの制作など、来訪者の周遊性と満足度を高めるための取組みを進めます。

 引き続き、4駅それぞれが持つ自然や歴史、文化などの地域資源を活用した、まち歩きを楽しめる仕掛けづくりに取り組むとともに、市内商業の現状や課題を把握し、地域経済の好循環につなげていきます。 

重点事業5 「新東名・246バイパスの最大活用」

 5点目の「新東名・246バイパスの最大活用」では、新東名高速道路の開通の効果を生かした産業振興のため、(仮称)秦野サービスエリア・スマートインターチェンジ周辺へのアクセス道路等の整備を引き続き進めます。また、戸川地区における土地区画整理準備組合へ技術支援を行い、市街化区域編入にあわせた産業拠点の整備を目指し、本市の特性を生かした企業誘致を進めます。

 さらに、産業拠点への誘致企業による新たな水需要を見据え、ボーリング調査を行い、地下水量の把握と周辺井戸への影響を調査します。

 開通を好機とした表丹沢の魅力向上の取組みでは、国の地方創生拠点整備交付金を活用し、神奈川県の協力のもと、新年度、県立秦野戸川公園内にボルダリング施設を整備します。この施設と、県が県立山岳スポーツセンター内に再整備するクライミング施設を一体的に活用し、東京2020オリンピックの事前キャンプ誘致や、スポーツクライミング大会の拠点となるよう取り組みます。これにより、表丹沢の大自然の中で行う登山や沢登り、スポーツクライミングなど、山岳スポーツの普及促進を図り、「都心に近い山岳スポーツの聖地」を目指します。

 そのほか、表丹沢野外活動センターの運営方法の見直しのほか、大倉高原山の家の再整備に向けた検討を進めます。

 ヤビツ峠周辺においては、山岳交流の拠点整備の検討を進めるとともに、研究施設の移転が決定している東地区の企業所有地等の活用可能性調査を行います。

 森林セラピー事業の推進では、セラピーロードの認定審査を受けるとともに、体験プログラムの開発やセラピーガイドの育成などに取り組み、森林資源の活用により、都市住民が求める癒やしの機会を増やします。

 このような、表丹沢を舞台として展開する様々な事業は、関連性を持たせて面的に実施することにより、相乗効果を生み出します。そのため、横断的な検討組織を設置するとともに、表丹沢全体の魅力を高めることを目的とした構想の策定に着手します。

 本市のさらなる発展につながることが期待される国道246号バイパスは、国が用地取得に向けた道路設計を進めている一方、市内には、事業化されていない区間もありますので、神奈川県及び近隣関係自治体と協力し、全線事業化に向けて、引き続き、国に要望していきます。事業化区間に隣接する西大竹地区では、中井町と連携し、産業系土地利用を目的とした土地区画整理事業の実現に向けた取組みを進めます。また、将来の開通を見据え、中井町、大井町及び松田町とで構成する1市3町広域行政推進協議会において、広域道路網のあり方や周辺の土地利用の可能性を検討します。

 以上、未来へつなぐ5つの重点事業について説明しました。続いて、総合計画後期基本計画に掲げた5つの基本目標に沿って、説明します。

豊かな自然と調和した快適なまちづくり

 はじめに、「豊かな自然と調和した快適なまちづくり」の施策です。

 市民の宝である地下水を守る取組みでは、最新の調査データを得て「はだの水循環モデル」を更新し、適正な水循環マネジメントのもと、秦野名水の利活用を進めます。

 ごみ処理基本計画に基づき、老朽化した伊勢原清掃工場の稼動を平成37年度末に終了し、ごみ処理の1施設体制を実現するためには、ごみの減量と資源化をさらに進める必要があります。新年度は、可燃ごみの削減目標の達成に向け、家庭から出される草類の分別収集区域を市内全域に拡大するとともに、剪定枝の収集と統合し、効率的な資源化事業に取り組みます。

 また、可燃ごみに含まれる古紙類など、資源物の分別を強化するため、啓発活動を続けるとともに、自治会と調整を図り、公民館などに資源物受入れのためのストックハウスを設置していきます。

 未来を見据えたまちづくりの取組みでは、子どもから高齢者まであらゆる世代が、安心して、快適に暮らせるよう、コンパクト・プラス・ネットワーク型の都市形成に向けて、市域全体の都市環境と居住環境に配慮した利便性の高いまちづくりを進めます。

 交通ネットワークの形成では、乗合タクシーの利用促進に向け、運行ルートの延伸や停留所の新設などに取り組むとともに、市内バス路線網の維持について、関係機関との協議を進めます。

 カルチャーパークでは、文化会館等の受変電設備の更新とペコちゃん公園はだのの遊具の改修を行い、安心して、また喜んで使っていただける施設として、適正な維持管理に努めます。

地域で支えあい安心・安全に暮らせるまちづくり

 次に、「地域で支えあい安心・安全に暮らせるまちづくり」の施策です。

 妊娠から子育てまでの切れ目のない支援の推進では、子育て世代包括支援センター機能の拡充の一つとして、出産後、間もない母親の心身の負担を軽減し、健やかな子育てができるよう、本市直営の産後ケア事業を実施します。

 今、児童虐待を伝える痛ましいニュースが続いていますが、その対策では、支援を必要とする家庭に対し、継続的で専門的な働き掛けを行うためのこども家庭総合支援拠点を設置します。児童相談所や子育て世代包括支援センターとの連携により、児童虐待の発生予防、早期発見及び対応強化に努めます。

 幼児期の学校教育・保育の提供と、地域の子ども・子育て支援の総合的な推進では、平成31年度で計画期間が終了する「子ども・子育て支援事業計画」の第2期計画を策定します。

 待機児童ゼロに向けた施策では、資格を持ちながら就労していない保育士の現場復帰を支援するため、職場体験の機会を新たに設けます。また、保育士不足による定員割れを防ぐため、市内の民間保育所に新たに就労する保育士等に、引き続き一時金を支給し、その確保に努めます。

 地域共生社会の推進では、価値観の多様化などにより、地域との絆が希薄となる中、複雑、多様化した課題を解決するため、障害者、高齢者、生活困窮者などを包括的に支援する地域包括ケアを強化します。地域の交流やその活動を支援し、全ての市民が地域の一員として、互いに尊重し、共に支え合い、安心して暮らせる環境づくりに取り組みます。

 また、「高齢者にやさしいまちがあらゆる世代にやさしいまちになる」という趣旨に賛同し、本市は、昨年9月、WHOが推奨するエイジフレンドリーシティへの参加が承認されました。新年度は、高齢者の生活支援や居住支援、就労促進など、行動計画の策定に取り組みます。

 高齢者施策では、一人暮らし高齢者等の家庭内での事故を直ちに通報できる緊急通報システムの整備を進めるとともに、外出時の急病や、外出先で保護された際に迅速な対応ができるよう、緊急連絡先などを登録する「見守りキーホルダー」の利用を促進します。

 介護予防普及啓発事業では、介護予防や生きがいづくりにつながる地域活動を推進するととも に、元気な高齢者を対象に、定期的な介護予防活動の普及を図り、健康寿命の延伸に取り組みます。

 障害者施策では、相談、就労、地域活動の支援機能を備えた、地域生活支援センターを運営する「障害者地域生活支援推進機構」を引き続き支援し、障害者一人ひとりのライフステージに応じた、総合的な施策の充実を図ります。また、障害者の介護等に従事する人材の育成と、定着できる職場環境づくりを進めるため、介護職員の研修費への助成を開始します。

 生活困窮者への自立支援では、自治会の協力により、新たに西地区に学習支援の拠点を設け、対象を大学等への進学を目指す高校生まで拡大し、体制を強化します。また、学習支援に加え、対象世帯の家族状況や生活環境なども視野に入れた包括的な支援を行います。

 災害時の情報伝達手段の確保では、防災行政無線のデジタル化を順次進めるとともに、様々な手段で災害情報が得られるよう、情報の伝達体制の強化に取り組みます。

 大地震への備えでは、地域での資機材等の備蓄を充実させ、避難所運営委員会による円滑な運営体制を構築するとともに、危険なブロック塀の撤去に向けた取組みを強化します。

 台風や集中豪雨への備えでは、浸水想定区域と土砂災害警戒区域で、自治会との連携による実践的な訓練を実施するなど、地域防災力の向上に取り組みます。

 消防・救急体制の充実では、新東名高速道路の開通に伴う救急隊の増隊を見据えて整備を進めてきた、西分署の建替工事が完了するため、新年度、高規格救急自動車を新たに配備し、新東名高速道路での事故対応を強化します。

 消防施設の整備では、鶴巻分署の訓練塔を改修するとともに、放水訓練設備を増設します。また、南分署の受変電設備の更新にあわせて、非常用自家発電設備を更新し、大規模災害の発生時における初動体制を確保するとともに、活動拠点となる消防施設の機能向上を図ります。

 消防総合指令システムの維持管理では、災害時の安定した通信環境を維持するため、システムサーバーを更新するとともに、西分署救急隊の増隊に対応するシステムへ改修します。また、将来を見据え、消防指令センターの伊勢原市との共同運用を検討します。

 障害のある方の通報体制の確保では、聴覚・言語機能障害者向けの、「Net119緊急通報システム」を導入します。

 消防団に関する施策では、小型動力ポンプ付き積載車2台を更新するとともに、車庫待機室2棟を建て替え、地域防災力の強化を図ります。これにより、市内全ての車庫待機室が新耐震基準に適合した活動拠点となります。

 交通安全施策では、高齢者が関わる交通事故が増加傾向にあることから、高齢者向けの交通安全教室を開催するなど、引き続き、啓発活動に取り組みます。また、秦野警察署や関係団体と連携し、工業地帯での大型車による迷惑駐車の解消に取り組みます。

 防犯対策では、設置済みの防犯カメラをさらに有効活用するため、新東名高速道路の開通による影響を踏まえ、設置基準や適正な配置について精査していきます。

 市民の消費生活の保護施策では、高齢者や障害者がトラブルに遭わないよう、見守り者育成講座を開催し、地域住民による被害の未然防止に取り組むとともに、多様な相談に対応できるよう、引き続き、消費生活センターの充実を図ります。

 スポーツ施策では、スポーツ施設の計画的な整備、改修を目的とするストック適正化計画を、平成32年度までに策定するため、各種調査を進めます。また、神奈川県やスポーツ協会など関係団体と連携して各種スポーツ大会を開催し、「はつらつと・だれもが・のびのびとスポーツに親しみ、楽しむ秦野(まち)」の実現に取り組みます。

産業活力を創造し多彩な魅力に出会えるまちづくり

 次に、「産業活力を創造し多彩な魅力に出会えるまちづくり」の施策です。

 商業振興では、商店会加盟店舗の改装等に要する費用を補助するとともに、インターネット上に特設サイトを設け、本市や商店会が実施するイベントや、「商人魂お役立て講座」の情報を発信し、商業者と消費者の接点づくりなど、にぎわいのある商店街づくりを進めます。また、創業しやすい環境づくりを促進するため、県の創業支援融資を受けた方も補助対象とするよう、中小企業信用保証料補助制度を拡充します。

 工業振興では、経営者の高齢化や人手不足といった構造の変化への対応や、生産性向上のための新たな設備投資などによる中小企業の資金需要の高まりに応えるため、融資資金に対する利子補助など、中小企業の金融負担を軽減し、経営の維持、安定を図ります。

 就労支援では、ふるさとハローワークや神奈川県との連携により、専門カウンセラーによる支援を充実させるとともに、企業見学会や就職面接会を開催し、市内企業への就職を促進します。

 観光振興では、震生湖について、自然湖としての魅力を回復させるため、中井町と連携した散策路の整備のほか、ベンチやテーブルの設置など、来訪者が休憩できる広場の整備に取り組みます。

 農業振興では、鳥獣被害の軽減により営農意欲の向上を図るため、猟友会の会員等を鳥獣被害対策実施隊員に委嘱し、捕獲体制を強化します。また、歴史ある本市特産の落花生は、助成対象とする作付面積の拡大を図ることにより、さらなる生産振興に努めます。

 森林(もり)づくり施策では、豊かな森林を次世代へと引き継ぐため、ボランティア団体が行う植樹を支援するとともに、中日本高速道路株式会社との連携を図り、市民、企業と協働し、新東名高速道路周辺の緑の復元に取り組みます。また、東京2020オリンピック・パラリンピックでの選手村ビレッジプラザの建築資材として、秦野産木材を提供します。

 新年度から交付される森林環境譲与税は、秦野産木材を使用するボルダリング施設の整備に活用するほか、基金を設立し、今後の公共施設の建設や改修の際に活用します。

豊かな感性をはぐくみ笑顔あふれるまちづくり

 次に、「豊かな感性をはぐくみ笑顔あふれるまちづくり」の施策です。

 幼児教育の充実では、幼児教育の無償化に伴い、保護者の保育ニーズの変化による公立幼稚園の園児数の減少が懸念されます。公立こども園を含めた、今後の幼児教育のあり方を検討するため、学識経験者等による検討組織を設置し、平成32年度中の新たな方針決定に向けて取り組みます。

 いじめ・不登校対策では、上幼稚園旧園舎を拠点とする、訪問型個別支援教室「つばさ」の機能を強化するため、新たにスクールソーシャルワーカーを配置します。

 ICTを活用した教育の推進では、今年度までに全ての小中学校に整備したタブレット端末は、子どもの個性にあわせた自立支援活動の指導でも有効であることから、新年度は、小学校の特別支援学級への整備を進めます。

 支援教育の推進では、外部人材として、教育支援助手57名、いじめ不登校巡回教育支援相談員4名のほか、特別支援学級介助員54名を配置し、一人ひとりに応じた支援の充実を図ります。

 西中学校体育館の整備では、平成32年秋の供用開始に向け、生涯学習機能と防災機能を兼ね備えた多機能型体育館として建設に着手します。

 学校施設の長寿命化では、国の補助金を活用し、緊急遮断弁付き受水槽への更新や公共下水道への接続等を実施するとともに、電話交換機のシステム改修や屋上防水等を実施します。

 小中学校トイレ快適化第二次整備事業では、トイレの洋式化を継続するとともに、清潔で使いやすいトイレへの改修を進めます。

 公民館では、老朽化した設備の計画的な改修を進め、施設の長寿命化と利用環境の向上を図ります。また、桜土手古墳展示館では、平成32年度中の総合的な歴史博物館への移行に向け、展示環境の整備に着手します。

 文化芸術活動の推進では、宮永画伯生誕100年を記念し、宮永岳彦記念美術館で、業績を振り返る事業を開催します。

 文化会館では、女流義太夫で人間国宝の竹本駒之助氏や、オーケストラの国際的な指揮者である山田和樹氏など、本市とゆかりのある文化人による公演を含め、魅力ある事業を幅広く実施します。

 図書館では、図書館情報システムを更新し、利用者がより使いやすい環境を構築します。また、市民に身近な公民館図書室の資料の充実に努め、利用者サービスの向上を図ります。

市民と行政が共に力をあわせて創るまちづくり

 最後に、「市民と行政が共に力をあわせて創るまちづくり」の施策です。

 将来を見据えた市政運営の取組みとして、平成33年度を初年度とする新総合計画は、今年度に実施している市民意識や社会経済動向等の調査結果を踏まえ、検討組織を立ち上げ、策定に着手します。また、人口減少・超高齢社会における今後の行財政運営のあり方についても、引き続き、検討していきます。

 情報化の推進では、情報通信技術の高度化に対応する持続可能なシステムの構築に向け、これまでのホストコンピュータによる体制から、標準的で高機能なオープンシステムへの移行に取り組み、平成33年1月の稼動を目指します。

 市民との協働の取組みでは、昭和44年に制定した「秦野市民憲章」が、制定50周年の節目を迎えます。これを機に、平和への誓いや水と緑の保全、協働によるまちづくりなど、このまちの限りない発展に願いを込めた市民憲章の精神を改めて認識するための啓発事業を実施します。

 また、第40回の節目を迎える市民の日では、中学生や高校生が中心となり、若者の視点からイベントを企画・運営する記念事業を実施します。

 広報活動の充実では、「ふるさと大使」を創設し、各分野で活躍する本市ゆかりの著名な方に、秦野の魅力を広く発信していただきます。

 広聴活動では、各種懇談会等を積極的に開催するとともに、市に寄せられる様々な市民の声を一元的に集約して、市政に的確に反映させます。

 人材育成では、これまでの階層別研修や職種ごとの専門研修だけでなく、職員としての基礎・基本に立ち返る研修を充実させ、市民に期待され、信頼される職員の育成に努めます。また、本年4月からの「働き方改革」関連法の施行を受け、早朝勤務や定時退庁を推進するとともに、関連する

 研修などを実施することで、年次有給休暇の取得促進や時間外勤務の削減に取り組みます。

 公共施設の再配置の推進では、施設の現状を把握するため、築30年を経過した建物のコンクリート劣化度調査を実施し、その結果を活用して、「(仮称)公共施設保全計画」の策定を進めます。

 自主財源の確保策では、はだのふるさと寄附金を、インターネットサイト「(仮称)ハダ恋にぎわい商店街」の運営費などの財源として活用するとともに、様々な広告・広報媒体を効果的に利用し、積極的に周知することにより、全国に向けて支援を募ります。

 以上、私の平成31年度における市政に臨む基本方針と主な施策について述べました。

各会計予算案

 引き続き、平成31年度の各施策を支える一般会計をはじめ、各会計の予算案について説明いたします。

 6会計全体の予算総額は、930億3,700万円、前年度に比べ3.2パーセントの増となっています。

 まず、「議案第1号・平成31年度秦野市一般会計予算を定めることについて」であります。

 歳入歳出予算の総額は、506億1,000万円で、前年度に比べ15億3,000万円、3.1パーセントの増となっています。

 歳入は、地価の下落や税制改正により一部減収の影響を受けるものの、堅調な景気の後押しと企業業績の回復基調が続くことから6年ぶりの増収を見込み、市税全体では231億円となり、前年度に比べ1.7パーセントの増となります。

 歳出は、国の制度変更に伴う児童扶養手当費の増加や障害児者へのサービス体制の充実に加え、医療費の増加や高齢化の進行に伴い、扶助費や国民健康保険事業、介護保険事業に対する繰出金が増加となります。

 建設事業費は、西中学校体育館多機能型施設の整備に着手するとともに、長寿命化のための文化会館設備の改修や、小中学校トイレの洋式化と快適化の整備を着実に進めていくことから、前年度に比べ8.8パーセントの増となっています。

 市債は、22.5パーセント増の45億2,580万円とし、臨時財政対策債は、前年度の借入額に比べ1億円減の21億円の借入れを行います。

 財政調整基金は、市税等の増収が見込めるため、財源補填のための取崩しは行わず、将来に備えることとしました。

 次に、「議案第2号・平成31年度秦野市水道事業会計予算を定めることについて」であります。

 予算総額は、37億5,900万円で、前年度に比べ3億6,700万円、10.8パーセントの増となっています。企業債は、4億円を限度額として借入れを行います。

 水道施設整備計画及び財政計画を着実に進め、引き続き、施設の耐震化に取り組むとともに、水道事業の将来構想である「水道ビジョン」の改訂に着手し、ライフラインを提供する公営企業として、安全な水の安定供給に努めます。

 次に、「議案第3号・平成31年度秦野市公共下水道事業会計予算を定めることについて」であります。

 予算総額は、59億8,800万円で、前年度に比べ1億3,600万円、2.3パーセントの増となっています。企業債は、11億530万円を限度額として借入れを行います。

 建設投資計画及び財政計画を着実に進め、引き続き、施設の耐震化や浸水対策に取り組むとともに、公共下水道事業の将来構想である「下水道中期ビジョン」の改訂に着手し、ライフラインを提供する公営企業として、安定的かつ持続可能な事業運営に努めます。

 次に、「議案第4号・平成31年度秦野市国民健康保険事業特別会計予算を定めることについて」であります。

 予算総額は、180億8,200万円で、前年度に比べ1億6,500万円、0.9パーセントの減となっています。

 一人当たりの医療費の増加と保険税収入の減少が見込まれる中、財政運営の責任主体である神奈川県と連携し、安定的で健全な国民健康保険事業の運営に取り組みます。

 次に、「議案第5号・平成31年度秦野市介護保険事業特別会計予算を定めることについて」であります。

 予算総額は、123億8,200万円で、前年度に比べ8億7,000万円、7.6パーセントの増となっています。

 第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に掲げた、地域包括ケアのさらなる発展・充実と、介護予防のための各種施策に取り組みます。また、保険者として、自立支援と重度化防止に向けた施策の推進と、適正な給付に努め、安定的な介護保険事業の運営に取り組みます。

 最後に、「議案第6号・平成31年度秦野市後期高齢者医療事業特別会計予算を定めることについて」であります。

 予算総額は、22億1,600万円で、前年度に比べ1億3,000万円、6.2パーセントの増となっています。

 県内全ての市町村が加入する広域連合と連携し、後期高齢者医療事業の健全な運営に取り組みます。

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