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令和4年度秦野市長施政方針

問い合わせ番号:16461-3926-9515 登録日:2021年2月26日

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 2月24日(木曜日)に開会した令和4年3月第1回定例月会議の冒頭に令和4年度施政方針を述べさせていただきました。

秦野市長 高橋昌和

shiseihoushin

はじめに

 私は、先の市長選挙におきまして、多くの皆様から、再度の御信任を賜り、引き続き、愛する「ふるさと秦野」の舵取りを担わせていただくこととなりました。

 本日、この厳粛な議場の壇上に立ち、改めて、市長としての職責の重さに身の引き締まる思いであり、ここにまちづくりへの決意を新たにし、私の市政に臨む所信の一端を述べさせていただきます。

 平成30年1月に第18代秦野市長に就任して以来、常に「有言実行」、「率先垂範」、「積極果敢」という3つのリーダー像を胸に刻み、歴代市政の良き伝統や文化、そして財産を継承しながらも、時代の流れに応じて、本市が直面する様々な課題に正面から挑み、魅力溢れる「ふるさとづくり」に全力で取り組んでまいりました。

 この4年間を顧みますと、時代は平成から 令和に移り変わり、本市においても、本格的な人口減少、少子・超高齢社会という厳しい局面に突入しました。加えて、激甚化・頻発化する風水害や新型感染症の拡大など、これまで経験したことのない未曽有の危機にも直面し、改めて、安全で安心なまちづくりの重要性を痛感させられた月日でもありました。

 しかしながら、この厳しい環境下にあっても、市民力と職員力を結集し、何よりも「市民の命と暮らしを守る施策」を最優先に推進してきました。

 同時に重点施策として掲げた「5つの誓い」にも着実に取り組み、知恵を絞った創意工夫により中学校完全給食を実現したほか、本市が誇る地域資源を最大活用する「表丹沢魅力づくり構想」を策定するなど、一つひとつ成果を上げてまいりました。

 そのうえで、新たな都市像「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市(まち)」の実現を目指し、多くの市民の思いや願いが詰まった「総合計画はだの2030プラン」をスタートさせました。

 しっかりと秦野の未来を見定め、事業の選択と集中を図りながら、持続可能な行財政運営に努め、確実に総合計画を推進してまいります。

  新型感染症対策は、引き続き、最優先に取り組むべき課題です。スピード感を持って進めてきたワクチン接種の効果もあり、かつての日常を取り戻しつつありましたが、新変異株の流行により、第6波と言われる感染の急拡大が続き、今なお、予断を許さない状況が続いています。

 市民の命と暮らしを守り抜くため、3回目のワクチン接種を円滑に実施するとともに、希望と活力が市内の隅々まで行きわたるよう、先を見据えた息の長い地域経済対策を講じ、オール秦野でこの難局を乗り越えていきたいと思います。

  今、国は新型感染症を契機とした社会経済情勢の変化を捉え、デジタル化や2050年カーボンニュートラルに向けたクリーンエネルギー戦略など、これまで弱みとされていた分野への投資を始めました。

 中でも、地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」を最も重要な柱に据え、デジタル技術によって人口減少や少子高齢化、産業の空洞化などの地域課題を解決しようとしています。

 また、医療・介護・保育等の現場で働く方々の収入を増やすなどの「人への投資」の強化と合わせて、子ども・子育て支援策を充実させるとともに、人生100年時代を見据えて、子どもからお年寄りまでの全ての方が安心できる、全世代型社会保障の構築が進められています。

 こうした基盤のもとに、若者も高齢者も、障害のある方も、ない方も、また、性別に関係なく、全ての人が生きがいを感じることができ、多様性が尊重される社会を目指しています。

 本市においても、多様性を認め助けあい、平和を愛する市民がまちづくりの主人公となり、誰もが尊重される地域共生社会を実現する必要があります。

 私は、これらの時代の潮流も念頭に置き、総合計画の骨格となる「“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト」を 「5つの誓い2022」として“新たな目標”に位置付け、その具現化を市民の皆様にお約束しました。

 市民一人ひとりが夢と希望を抱き、生き生きと暮らすことができ、「ふるさと秦野」が県央西部の存在感ある都市として将来にわたって、輝き続けることができるよう、“新たな目標”に挑戦してまいります。

  まちづくりへの課題が年々、複雑化・多様化する中で、今こそ、市役所組織の総合力が問われており、“次代を担う職員の育成にも一層力を注ぎたい”との思いを強くしています。

 職員一人ひとりが、何事にも積極果敢に挑戦できる職場風土のもとで、それぞれの適性や能力を遺憾なく発揮することができる職員づくりを進め、市役所一丸となって、市民の皆様の期待に応えていきたいと思います。

  いよいよ、地元の皆様から積年にわたり御理解・御協力を得てきた、新東名高速道路の新秦野インターチェンジまでが、まもなく開通し、秦野の“新時代”が幕を開けます。この好機に、市域北側の「表丹沢の魅力づくり」と南側の 「小田急線4駅周辺のにぎわい創造」を一体的に進め、本市を全国屈指の森林観光都市へと 押し上げてまいります。

  『まちづくりは、そのまちの歴史を知ることから始まる』。2年前の施政方針で述べさせていただいた、私のまちづくりの原点です。

 この原点に立ち返ってみますと、今の本市があるのは、歴代7市長をはじめ、議員各位や 秦野を愛する先人たちが故郷の繁栄を願って、その礎を築き、親から子へ、そして子から孫へと、時代を超えて連綿と続いてきた、たゆまぬ努力の賜物であると考えています。

  2期目のスタートに当たり、これまで本市発展のために御尽力された幾多の人々に、改めて、心からの敬意と感謝の意を表するとともに、現市政を預かる私の使命として、“新時代”で活躍する子どもたちに「誰もが住んでみたい・住み続けたい元気溢れるふるさと秦野」を引き継いでいくため、皆様から託された貴重な今任期においても、粉骨砕身の努力をしてまいる覚悟であります。

 初心を忘れず、驕ることなく、これまで以上に市民一人ひとりの思いを大切にし、共に歩みながら市政運営に取り組んでまいりますので、皆様の御理解・御協力をお願い申し上げます。

  令和4年度当初予算は、都市像の実現に向け、しっかりとした目標と展望を掲げ、1期4年で固めた基礎の上に具体的な施策を一つひとつ展開し、市民力、地域力を生かした持続可能なまちづくりに積極果敢に取り組んでいくため、「未来に向けて、ふるさと秦野を飛躍発展させる予算」として編成しました。

新型感染症対策

 それでは、令和4年度の主な取組みについて、まずは、最優先課題である新型感染症対策に関して、感染の拡大防止と社会経済活動の両立を目指した施策から説明します。

 市民の生命と健康を守るための 重要な鍵となるワクチン接種について、これまでの実績を検証し、改善を図りながら、引き続き、秦野伊勢原医師会などの関係機関と連携した万全な体制により、安全かつ迅速に完了させます。また、自宅療養者や濃厚接触者に対し、引き続き、食料品等の生活支援を行い、不安の解消を図ります。

 地域経済活性化の推進としては、新型感染症の影響を受けている中小企業を対象に、利子補給などの金融支援を行い、経営の維持・安定を図ります。また、営業活動や展示会等の開催について、自粛や縮小を余儀なくされている製造業を営む事業者が、コロナ禍においても、動画や画像を用いて企業の強みを発信する取組みを支援し、企業の取引機会の拡大を図ります。

 魅力とにぎわいのある商業の振興としては、従来の施策の着実な推進に加え、新たに、商店街ガイドブック「デジタル版メルカHADANO」の作成や、市内での消費を喚起し、資金循環を促進する「電子地域通貨」の導入に向けた検討を行います。これにより、経済活動の本格的な再開を後押しするとともに、ポストコロナを見据えた、持続可能な経済循環システムの構築及び市民生活の利便性向上を図ります。

 “住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2022)

  次に、「“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2022)」に沿って、説明します。

 健康で安心して暮らせるプロジェクト

 水とみどりを育む取組みの推進では、地球温暖化対策の推進と再生可能エネルギーの積極的活用として、2030年度の二酸化炭素排出量を2013年度比で46パーセント削減することを目標とする「地球温暖化対策実行計画」に基づき、市民、事業者と一丸となって温暖化対策に取り組む環境づくりを進めます。また、市庁舎等の照明設備のLED化に向けた調査、再生可能エネルギー由来の電力の活用、環境負荷が少ない公用車の導入など、2050年カーボンニュートラルにつながる足元からの取組みに着手します。さらに、本市の特性である 森林里山の整備、秦野産木材の活用推進に取り組み、二酸化炭素の吸収、固定化の促進につなげます。

 市民共有の財産である「秦野名水」の保全と利活用としては、持続可能な水資源のマネジメントを進めるとともに、名水拠点の整備、イベントや講座の実施、秦野名水名人講の活動など、「名水の里秦野」の魅力発信を図ります。また、丹沢の山々が育む豊かな水を守るため、河川の水質調査や事業所への立入調査を継続して行い、河川の水質保全に努めます。

 人生100年時代の健康長寿に向けた取組みの推進では、健康で暮らせるための地域医療体制の充実として、秦野赤十字病院、神奈川病院をはじめ、各医療機関、神奈川県、関係機関等と引き続き連携し、市民が必要なときに、適切な医療を安心して受けられるよう、取り組みます。

 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な取組みとしては、健診結果に基づき、生活習慣病の重症化予防やフレイル予防など、高齢者一人ひとりに合わせた健康づくりを支援し、自立した生活の実現と健康寿命の延伸を図ります。

 生涯スポーツの普及促進としては、新型感染症の影響により、日常生活で様々な制限が続き、心身の衰えが懸念されることから、ウォーキングやボルダリングなど、一人で気軽にできるスポーツの普及に努め、運動実施率の向上を図ります。また、関係団体と連携し、パラスポーツを通じた多様性を尊重する共生社会の推進に取り組みます。

 生きがいを持って安心して暮らせるまちづくりの推進では、地域共生社会の実現に向けた取組みとして、複合化・複雑化した地域生活課題を解決するため、多機関連携による相談支援体制を推進するとともに、地域住民が相互に支えあう共助の取組みを支援し、地域力の強化を図ります。

 高齢者等への支援の充実としては、認知症などにより介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、地域高齢者支援センターの機能強化を図るとともに、年齢に関わりなく生涯現役で活躍し、子どもから高齢者まで共に支えあう「高齢者にやさしいまち」を目指します。

 障害者支援の充実としては、障害者が地域で自分らしく安心して暮らせるよう、地域生活を支えるサービスの提供に加えて、緊急時の受け入れ体制を整備するなど、適切な支援に努めます。

 生活困窮者等への支援の充実としては、新型感染症の影響により、様々な困難に直面している世帯に対し、住居確保給付金、自立支援金 及び福祉臨時特別給付金を迅速に支給するとともに、自立相談支援事業により、必要に応じた支援制度へつなぐなど、きめ細やかな対応を図ります。

 災害や犯罪に強いふるさとづくりの推進では、市民総ぐるみの防災・減災対策として、避難所や被害情報の全体を把握できる災害情報システムを導入するほか、避難命令をはじめとする情報伝達をメールだけでなく電話や FAXなど、あらゆるツールを活用した誰一人取り残さない体制を整備することで、市民の迅速かつ的確な避難行動につなげます。また、激甚化・頻発化する自然災害を教訓とし、浸水被害を未然に防止するため、室川の護岸 整備を進めるとともに、堀水路をはじめ河川水路の適切な維持管理を図ります。

 市民の生命と暮らしを守る防犯対策の充実としては、新東名高速道路の開通に伴う交通動態の変化などを見据え、防犯カメラの効果的な配置を進めます。また、近年その手口が多様化している特殊詐欺をはじめとした犯罪に対しては、警察、防犯ボランティア、自治会等と連携し、防犯パトロールや周知活動を行うことで、被害の未然防止に努めます。

 また、犯罪被害者等への支援として、本年4月施行の「犯罪被害者等支援条例」に基づき、犯罪に遭われた方やその家族が地域で安心して日常生活を取り戻すことができるよう、必要な支援を確実かつ継続的に受けられる総合的な支援体制を整えます。

 通学路の安全対策としては、専門的見地からの意見を反映するため、新たに学校、保護者及び地域の代表や学識経験者等で構成する 安全対策推進組織を設置し、歩道設置やグリーンベルトなどの路面標示、また、注意喚起・啓発看板の設置など、危険箇所に応じた対策を、計画的かつ着実に推進します。

未来を拓く子育て・教育プロジェクト 

 安心して妊娠・出産できる環境づくりの推進では、有識者による助言・指導等を受けながら、秦野赤十字病院における分娩業務再開をはじめ、女性や子どもが住みやすいまちを目指します。また、産後ケアを必要とする方が、一人でも多く利用できるよう、従来の本市直営に加え、民間の日帰り及び訪問型の産後ケア事業を 拡充することで、産後の親子支援の更なる充実を図ります。

 秦野で子育てして良かったと思える環境づくりの推進では、結婚を希望する市民への支援策として、本人やその親世代に対し、結婚機運の醸成に向け、セミナーを開催するなど、具体的な取組みに着手します。

 支援を必要とするひとり親家庭への対応としては、電話や対面による相談に加え、オンラインによる相談を開始するとともに、毎月第2土曜日の開庁日にも窓口を開設し、相談体制の強化を図ります。

 次代を担う「はだのっ子」の確かな学力向上施策の推進では、国の「地方教育アドバイザー」制度を新たに活用し、今年度から開始した「学びの基盤プロジェクト」等を拡充するほか、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、スクールサポートスタッフの増員を図り、学力の定着・向上を支援します。また、園小中一貫教育の視点を踏まえた、インクルーシブ教育を推進するため、新たに、「特別支援教育等コーディネーター」を教育委員会に配置するとともに、小・中学校の特別支援学級介助員を増員する ことにより、支援体制の充実・強化を図ります。

 さらに、教育現場においてもDX(デジタル・トランス・フォーメーション)を推進するため、小学校5年生から中学校3年生までには、AIを活用した学習支援アプリを導入するなど、新学習指導要領が目指す個別最適な学びを実現することで、学力の向上を図ります。

 幼児教育・保育の質の充実としては、園小中一環教育の推進等の取組みの中核となる「乳幼児教育保育支援センター」の機能創設に向けた検討を行います。また、各公立幼稚園のICT環境の整備を図るとともに、「幼児教育保育環境整備計画」に基づき、ほりかわ幼稚園のこども園化に向けた検討を進めます。

 市民総ぐるみによる学校給食の推進では、秦野市農業協同組合や関係機関、企業と連携し、「はだのっ子キッチン」の機能を生かした食育や地産地消の取組みを推進します。また、本年4月から小学校給食費の徴収管理業務を公会計制度に移行し、保護者の利便性の向上と合わせて教職員の働き方改革として、業務の負担軽減を図ります。

小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト

 小田急線4駅周辺のにぎわい創造では、各駅の魅力ある地域資源や特色を生かし、都市の拠点として、活力溢れるにぎわいを創造するため、駅周辺市街地における、「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくり」を推進します。

 駅周辺においては、「商業地における企業等の立地及び施設再整備の推進に関する条例」に基づき、税制上の優遇措置などにより、土地活用を奨励することで、人の流れを生み出す集客施設や人をまちに呼び込む事業所等を誘導し、生活と産業とが調和した活力ある都市の実現に取り組みます。

 また、駅周辺市街地を利用する住民、商業者、企業、関連事業者等と行政が一体となって、にぎわい創造に取り組む機運の醸成と体制の構築を進め、ハードとソフトの両面から魅力ある都市の実現を目指します。

 鶴巻温泉を生かしたにぎわい創造を推進するため、これまで秋の行楽シーズンに行っていた大山と鶴巻温泉駅を結ぶバス運行について、多くの観光客が訪れる春のシーズンにも拡充することで、より一層の誘客及び地元の活性化につなげます。

 文化財を生かしたにぎわい創造を推進するため、本町四ツ角周辺の近代建築物を国登録有形文化財に登録する機運の醸成を図るとともに、魅力ある文化資源を活用したまち歩きなど、既に登録されている文化財を活用する取組みも進めます。また、本市の歴史や文化を紹介する「はだの歴史博物館」において、まち歩きをより深く楽しめるよう、市内各地域の個性や魅力の情報発信に努めます。

 渋沢丘陵を生かしたにぎわい創造を推進するため、令和5年9月に誕生から100年を迎える震生湖周辺の遊休農地等を活用し、花による美しい景観づくりに向けた栽培地の拡充に取り組み、頭高山へ続くハイキングルートの魅力を高め、更なる周遊性の向上を図ります。

 昨年12月に、エレベーターとエスカレーターを設置した東海大学前駅北口周辺では、駅へとつながり、多くの人が行き交う市道9号線の拡幅と歩道設置により、にぎわい創造に寄与する安全性と利便性の向上を図る整備を進めます。

 秦野駅北口周辺では、神奈川県が進める県道705号の拡幅事業に対し、引き続き、積極的な協力及び支援により整備の促進を図ります。

 南口においては、今泉地区の土地区画整理事業による建築物の移転補償や造成工事を進め、将来を見据えた駅周辺の活性化と良好な住環境の創出につなげます。

 新東名・246バイパスの最大活用プロジェクト

 表丹沢魅力づくり構想の推進では、今年度に引き続き、「(仮称)表丹沢ツーリズム」の事業化に向けて、事業計画の策定や推進体制の検討に取り組みます。また、民間事業者と連携したモニターツアーなどを実施することで、 表丹沢の「都心から近い山岳・里山アクティビティの聖地」としてのブランド化を推進します。

 構想エリア東側のヤビツ峠周辺については、魅力ある施設の周知を図るため、ヤビツ峠に観光案内看板を設置するとともに、その拠点となるヤビツ峠レストハウスに避雷針を設置するなど、施設の安全性を高めます。

 エリア中央に位置する田原ふるさと公園では、半屋外空間の直売所や休憩スペースを整備し、更なる魅力向上を図ります。(仮称)羽根 スポーツ広場用地については、表丹沢における新たな拠点とするため、森林資源の活用などの環境共生をコンセプトに、土地利用構想を策定します。

 エリア西側の拠点の一つである大倉高原では、建物の解体跡地にテーブルとベンチを設置し、登山者の休憩場所とするほか、表丹沢唯一の登山道沿いにあるテントサイトの魅力を生かした拠点づくりを推進します。

 地域特性を生かした企業誘致の推進では、引き続き、戸川地区及び西大竹地区における土地区画整理準備組合に対して技術支援を行い、組合の早期設立と両地区の市街化区域編入による産業拠点の整備を目指します。

 新たな人の流れを支えるネットワーク形成の推進では、秦野丹沢スマートインターチェンジから市街地へのアクセス性を高める新たな都市計画道路及び並行する矢坪沢の整備に向けた詳細設計等を実施します。

 また、スマートインターチェンジから県立秦野戸川公園や表丹沢野外活動センターなど、表丹沢周辺の観光施設を結ぶ市道の再整備を進め、周遊性を高めます。

 国道246号バイパス(厚木秦野道路)早期全線事業化・整備の促進では、国が行う「(仮称)伊勢原西インターチェンジ」から「秦野中井インターチェンジ」までの早期開通に向けて、本市として事業化区間における地元調整などに積極的に取り組むとともに、未事業化区間についても、神奈川県や近隣関係自治体と連携し、国に対して早期全線事業化を強く働き掛けます。

 そして、本市に多くの人を呼び込むための「小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト」と「新東名・246バイパスの最大活用プロジェクト」を一体的に進める「移住・定住活性化プロジェクト」では、引き続き、コロナ禍による地方分散の流れを捉え、移住お試し住宅の運用や、さと地共生住宅開発許可制度の 利用促進を図ります。加えて、移住相談窓口を新設するとともに、空家のリフォームに要する経費を補助する制度と若者世代等の住宅購入費の一部を補助する「はだの丹沢ライフ応援事業」を創設し、市内外の人々の本市への移住・定住につなげていきます。

 また、野生鳥獣のジビエ利用の普及促進のため、本市で捕獲したニホンジカ・イノシシを活用した「秦野産ジビエ」について、商工会議所等と連携し、取扱店舗を増やすとともに、SNSなどを活用した広報宣伝を積極的に展開し、需要の拡大に向けた取組みを進めます。さらに、本市が誇る観光資源の一つである桜について、樹木の健全な成育を図ることで景観を守り、はだの桜みち、みずなし川緑地、そして、弘法山や頭高山など、市内全域にわたる桜の名所の魅力向上を図ります。

新たな日常創造プロジェクト

 市民の利便性を高めるデジタル化の推進では、市民が、いつでも、どこでも行政手続を行うことができ、必要な情報を取得できる環境を整えるため、手続のオンライン化を進めるとともに、公開する地図情報に埋蔵文化財包蔵地を加える作業に着手するほか、図書館に電子書籍サービスを導入するなど、「デジタル田園都市国家構想」を見据えながら、「はだのICT活用推進計画」による取組みを推進します。また、市役所内部事務における電子決裁を開始し、迅速かつ効率的な事務処理の実現を目指します。

 デジタル社会のパスポートとされるマイナンバーカードの普及促進については、その利便性などを様々な媒体で周知しながら、市役所 窓口はもとより、地域に出向いた申請支援を行うことで、交付率の向上を図ります。

 自治会加入の促進では、自治会連合会が立ち上げた専門委員会での議論や単位自治会を対象としたアンケート結果を踏まえ、自治会のICT化の支援に取り組みます。

 コロナ禍を背景に、社会経済情勢が大きく変化する中で、これまで以上に市民に信頼される市役所改革を進める必要があります。そのため、社会の変化を捉えた働き方改革や人材育成を進め、休暇取得の促進やICTを活用した研修の実施などに取り組むとともに、「地方公務員法」の改正に伴う職員の定年引上げについては、組織全体の活力向上につながるよう、必要な条例等の改正を行います。

 また、本市の業務や行政サービスの質の向上を図るため、スピード感のあるPDCAサイクルを構築し、「はだの行政サービス改革基本方針」に基づく取組みを進めます。その一つとして、新年度にはカルチャーパーク及びNITTANパークおおね(おおね公園)のスポーツ・公園施設、クアーズテック秦野カルチャーホール(文化会館)、はだの丹沢クライミングパークを指定管理者制度に移行し、公共施設における市民サービスの向上と、効率的・効果的な管理運営を図ります。また、令和5年度には、表丹沢野外活動センターへの導入を目指すほか、鶴巻温泉弘法の里湯についても導入に向けた検討を進めます。

5つの基本目標

 引き続き、「秦野みらいづくりプロジェクト」以外の施策について、総合計画前期基本計画に掲げた5つの基本目標に沿って、説明します。

誰もが健康で共に支えあうまちづくり

 健康寿命の延伸に向けた健康づくりの推進では、「健康はだの21」及び「はだの自殺対策計画」の令和5年度の改定に向け、長引く新型感染症の影響により、運動不足などによる生活習慣病や、心に不調を抱える方の増加が懸念されるため、市民意識調査を行い、より実効性のある計画の策定を進めます。

 保育所等の利用環境の向上では、民間保育所等が実施する施設改修やICT環境の整備を支援するとともに、公立認定こども園の安全対策の強化などに取り組みます。

生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり

 次世代を見据えた教育基盤の整備では、土砂災害特別警戒区域に指定された渋沢中学校急傾斜面地の安全対策の検討や、広畑小学校グラウンド改修工事などを実施します。また、非構造部材の耐震化の観点から、照明設備をLED化するとともに、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼り付けるなど、安全対策と合わせて学習環境の改善を行います。

 市民の文化芸術活動の振興では、クアーズテック秦野カルチャーホールで民間活力を活用しながら、質の高い文化芸術に触れる機会の提供に努めます。

 平和意識の普及・啓発の推進では、市民一人ひとりの平和を愛する心を育むため、「平和都市宣言」や「平和の日」の理念の下、市民と協働した啓発活動を展開するとともに、市民の主体的な活動を支援します。

 スポーツ活動の普及促進では、様々な関係団体等と連携を深めるとともに、本年11月に開催される「ねんりんピック」において、競技のみならず、未病改善教室や本市の特産品の紹介、販売等のブースを併設し、全国から訪れる選手・関係者等をおもてなしするとともに、誰もが気軽に参加できるイベントとします。

 スポーツ環境の充実では、カルチャーパーク陸上競技場について、競技スポーツの活動機会の提供や競技水準の維持・向上を図るため、 日本陸上競技連盟の第3種公認の継続に向けた改修工事を実施するとともに、スポーツ広場等の改修を進めます。

名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり

 ごみの減量と資源化の推進では、はだのクリーンセンター1施設での安定的な焼却体制への移行について、当初の計画を2年前倒しし、令和5年度末までに実施することを「ごみ処理基本計画」に位置付け、分別の徹底や、生ごみの減量を推進するとともに、事業者への適正排出の指導を継続するなど、市民、事業者、行政が一体となり、更なるごみの減量に取り組みます。

 持続可能な都市農業の推進では、はだの市民農業塾等による新規就農者の確保や認定農業者等への支援により、農の担い手の育成に取り組むとともに、環境整備、防除、捕獲を組み合わせた地域ぐるみの鳥獣被害対策を進めることで、安心して営農できる環境づくりを推進します。

 暮らしの安心を支える消防・救急体制の充実では、救急現場に居合わせた方から始まる、救命の連鎖が途切れることがないよう、継続して、応急手当の知識・技術の普及を促進します。

 複雑化・多様化する各種災害に対しては、 消防署本署の資機材搬送車1台と高規格救急自動車2台を更新し、増加する救急需要や新型感染症への的確な対応を図ります。また、消防業務の効率的な運用としては、伊勢原市との消防通信指令事務について、令和7年度からの共同運用開始に向け、指令センターの建設に着手します。さらに、下大槻地区の消防団車庫待機室の建替えと小型動力ポンプ付積載車2台の更新により、地域消防力の強化を図ります。

 地域の交通安全対策の充実では、高齢者が関わる交通事故の割合が依然として高いことから、高齢者向けの安全運転診断を実施するとともに、高齢者団体に積極的な働き掛けを行い、交通安全教室を開催するなど、交通安全意識の向上を図ります。

 安心できる消費生活の支援、市民相談の充実では、被害が多い高齢者やその見守りをする方を対象とした啓発事業の定期的な実施により、地域での見守り体制を強化するとともに、消費生活センターに寄せられる多様な相談に適切に対応するなど、消費者の安全と安心を確保するための取組みを継続的に実施します。

住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり

 地域を結ぶ公共交通ネットワークの確保・維持では、新型感染症の影響により利用者が減少し、厳しい経営状況下にある乗合タクシー等の運行を支援するとともに、公共交通の利用促進を図ります。

 雇用、就労への支援の充実では、公共職業安定所との連携により、職業相談・紹介を行うとともに、個別カウンセリングやセミナーなどを実施し、求職者の円滑な就職への支援を図ります。

 空家等の適正管理では、「空家等の適正管理に関する条例」に基づく指導や勧告を行うとともに、空家内にある家財道具や、敷地内の庭木の処分に要する経費の一部を補助する新たな制度を創設し、所有者による適正な管理を促進します。

市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり

 多様な担い手による協働の推進では、引き続き、地域の個性や魅力を生かしたまちづくりを市民と行政が協働・連携して進め、「地域まちづくり計画」に掲げる事業を推進します。

 広報・広聴活動の充実とシティプロモーションの推進では、デジタル版の「広報はだの」の作成やSNSの更なる活用などにより、幅広い年代に向けた取組みを進めます。

 適正かつ持続可能な行政経営の推進では、昨年5月に策定した「公共施設再配置計画第2期基本計画」に続き、令和7年度までの具体的な取組みを定める「前期実行プラン」を本年3月に策定し、公共施設再配置7推進を図ります。

 健全で着実な財政運営の推進では、自主財源の確保のため、ネーミングライツの新規導入を進めるとともに、はだのふるさと寄附金について、広報媒体を効果的に活用しながら、引き続き、市内事業者の魅力ある返礼品の拡充に取り組みます。また、企業版ふるさと納税の更なる活用を進めるため、特設ホームページを開設します。

 

 以上、私の令和4年度における市政に臨む基本方針と主な施策について述べました。

 この方針の下、「ふるさと秦野」の未来に向けて、持続可能なまちづくりに取り組んでまいりますので、皆様の御理解・御協力をお願い申し上げます。

このページに関する問い合わせ先

所属課室:政策部 総合政策課 政策調整担当
電話番号:0463-82-5101
FAX番号:0463-84-5235

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