東光寺の指定重要文化財
問い合わせ番号:10010-0000-2253 登録日:2023年3月8日
県の指定重要文化財
- 東光寺(とうこうじ)
- 木造薬師如来(もくぞうやくしにょらい)立像(りゅうぞう)
- 令和2年3月17日指定
概要
- 像高128.1センチメートル
- 寄木造(よせぎづくり)(注1) 彫眼(ちょうがん)(注2)
- 推定製作年代:建長8(1256)年3月8日(背面中央に墨書)
ヒノキの寄木造で、右手首先が失われ、左手首先、両足先が後世に補修されていますが、全体の保存状況は良好です。像の特徴は、全体の造りが簡素なものになっていることです。頭髪は螺髪(らほつ)とせず、渦巻状の線刻によって表現し、目鼻、袖、衣文(えもん)なども簡略な彫刻となっています。表面の彩色も頭髪が墨塗り、髪際に緑青線、眉・髭が墨描き、両眼白色彩など、頭部の一部に限られ、大部分を素地仕上げとしています。
このような特徴は、鎌倉時代に知られる、一日で造って供養した「一日造立仏(いちにちぞうりゅうぶつ」と共通しています。本像は、文献等の裏付けがなく、「一日造立仏」の確実な作例と断定はできないものの、体部背面の「建長八年三月八日」の銘記から、この日1日で造った可能性が強く、近年注目されるようになった「一日造立仏」に関する貴重な作例となります。
「一日造立仏」:病気平癒や祈雨(きう)(雨乞い)など一刻を争う時に速やかに造られたという、簡素な造りの仏像であり、文献では平安時代、院政期から知られるが、現存例は鎌倉時代の13世紀後半以降である。『吾妻鏡』文応元年(1260)8月12日に将軍宗尊親王(むねたかしんのう)が病気のため一日で薬師如来像を造り、薬師法を行なったこと、弘長3年(1263)11月8日に北条時頼(ほうじょうときより)の病気平癒を祈って等身の薬師像を一日で造ったという記事がある。
市の指定重要文化財
- 東光寺(とうこうじ)
- 木造聖観音菩薩(もくぞうしょうかんのんぼさつ)立像(りゅうぞう)
- 昭和40年指定
概要
- 像高86センチメートル
- 一木造(いちぼくづくり)(注3) 彫眼
- 推定製作年代:平安期(後)
両手首及び両足先を除き、像のすべてを一材から彫り出しています。内刳り(うちぐり)(注4)は背面に施してあり、背板を当てています。
像容も古風で、頭部の山型の宝冠や丸い頭部、やさしい肩の線、浅目の衣文などに平安時代後期の特色をうかがうことができます。大き目の目鼻立ちや、省略された頭髪や着衣表現から、素朴であり地方色の強い作例であると言うことができます。
語句の意味
(注1) 寄木造(よせぎづくり) 木彫像の主要部分を複数の材からつくる技法。
(注2) 彫眼(ちょうがん) 木の彫像の表面をじかに彫ってあらわされた眼。
(注3) 一木造(いちぼくづくり) 一つの材から仏像等を切り出す技法。
(注4) 内刳り(うちぐり) 木造彫刻で、乾燥によるひび割れを防ぐために内部をくりぬくこと。
市の指定重要文化財
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東光寺薬師堂山門(とうこうじやくしどうさんもん)
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平成30年指定
概要
- 三間楼門
- 入母屋造檜皮葺形銅板葺(もとは入母屋造茅葺)
- 桁行6.79メートル(23尺)、梁行4.24メートル(14尺)
- 安永3(1774)年建造
この山門は、神奈川県西部唯一の三間楼門で、通常一階よりも二階平面をひとまわり小さくすることが楼門では通例ですが、この門では同じ大きさになっています。また、正面から続く石段が門の中央近くまで延び結果として前面の柱が他よりも長くなること、二階廻縁の支えに差肘木を用いるなどの特徴を有しています。
MAP
所在地
秦野市南矢名366
交通手段
神奈川中央交通バス「秦野駅」バス停乗車、「宿矢名」バス停下車徒歩5分
- 秦44「下大槻団地、東海大学前駅南口経由鶴巻温泉駅」行き
- 秦45「下大槻団地経由東海大学前駅南口」行き
地図情報
東光寺の指定文化財
秦野市南矢名366
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所属課室:文化スポーツ部 生涯学習課 文化財・市史担当
電話番号:0463-87-9581